通夜・葬式での基本的な服装マナーと、ネクタイの結び方

Choya Blog 2025/02/20

葬儀に参列する機会は、突然やってくることがほとんどです。ここでは「男性が葬式や通夜に出席するのにふさわしい服装」について、簡潔にわかりやすく解説。これを読めばお葬儀に出席するときのスーツやシャツの選び方、またネクタイの選び方や結び方の注意点がすぐわかります。
通夜や葬式は、故人や遺族に対して敬意と哀悼の意を示す大切な場。失礼のない服装マナーを詳しく解説していきます。

  1. 葬儀に参列する際の、男性の基本的な服装ルール
    1. スーツの選び方
    2. シャツの選び方
    3. 靴・靴下・ベルトの選び方
    4. 季節に合わせた服装の調整
  2. 葬儀や通夜におけるネクタイの選び方と結び方
    1. 色と柄
    2. ネクタイの長さと素材
    3. ネクタイピンやその他のアクセサリー
    4. 基本的な結び方と注意点
  3. 通夜に参列する際の服装マナー
  4. そのほかに持っていくべきもの
  5. まとめ

1.葬儀に参列する際の、男性の基本的な服装ルール

まずは、男性の服装において基本となるスーツやシャツ、靴などの選び方を確認しましょう。葬儀や告別式では、喪服として正礼装や準礼装を着用するのが通例です。

1-1.スーツの選び方

男性の基本的な服装としては、準備できる場合は「弔事用(喪服)のブラックスーツ」を着用しましょう。弔事用のスーツは、色が漆黒に近い無地で、光沢が抑えられているのが特徴です。準備がない場合は、光沢がない無地の、なるべく落ち着いた色調のスーツを選びましょう。ダークグレーなどでも失礼にはなりませんが、なるべく黒に近い色を選ぶほうが無難です。ジャケットの前合わせはシングルでもダブルでも問題ありません。

1-2.シャツの選び方

葬式に着用するシャツは必ず「白の無地」にしましょう。柄が入っていたり光沢のあるものはNG!必ずシンプルな「白無地」がマナーです。白でも織り柄の入っているものは葬儀には不向きです。素材は一般的な、綿100%のものや綿とポリエステルの混ざっているもので問題ありません。シルクや麻などのシャツは、フォーマルな席には相応しくないので避けましょう。

シャツのボタンは、色のついたボタンや色糸でボタンホールが縫われているような装飾的なものは避け、白(オフホワイト)のボタンや糸が使われているシンプルなものを選びましょう。

襟の形は「レギュラー」「セミワイド」と呼ばれる、開きの小さめのものが良いでしょう。襟元の開きが大きいワイドカラーや、襟にボタンの付いた「ボタンダウン」はカジュアル色が強くなりますので避けてください。

―葬儀でのスーツ・シャツ選びのポイント―

・弔事用のブラックスーツ(喪服) 持っていない場合はダークカラーのスーツ

・シャツは白の無地。柄と光沢はNG

・襟はレギュラーやセミワイドなどベーシックなもの

・ボタンダウンはNG

1-3.靴・靴下・ベルトの選び方

靴とベルトの素材は、「黒い革(もしくは合皮)」のものにしましょう。エナメルのような光沢のあるものや、目立つステッチや飾りが入っているものは避けて、とにかくシンプルで目立ちにくいものを選びましょう。靴下も黒の無地で揃え、立ったり座ったりした時にすねの地肌が見えるような短いものは避けてください。

靴は、これから購入するのであればぜひ「黒の内羽根のストレートチップ」を選ぶと良いでしょう。一番フォーマル度の高い靴なので、冠婚葬祭すべてに使用することができ、一足あると便利です。

しかし急な通夜や葬式では、ピッタリなものが手元にないこともあるかと思います。そんな時の靴選びで気を付けるポイントは

―葬儀や通夜での靴選びのポイント―

・ひもで結ぶタイプであること

・プレーントゥやストレートチップなど、なるべくシンプルなデザインの革靴であること

・ローファーやスリッポンなどひも靴でないものや、金具のついている革靴はNG

・革製のひも靴でも、ブーツやスニーカーはNG


これらに気を付けて、なるべく上記に近いシンプルな靴を選びましょう。

1-4.季節に合わせた服装の調整

真冬の寒さが厳しい時期には、コートやマフラーなどを使って防寒対策を行います。黒・紺・グレーなどなるべく色味を抑えた暗色系のアイテムを選び、式の雰囲気を損ねないようにするのが大切です。

夏の暑い時期でも、ノーネクタイや半袖シャツでの参列はできるだけ避けましょう。暑くてどうしても半袖を着用したい場合でも、式の最中にはジャケットを着用するのがマナー。あくまでも「礼服」であることを意識しましょう。

2.葬儀や通夜におけるネクタイの選び方と結び方

葬儀や通夜の出席において、ネクタイは重要な要素です。喪服を準備できない状態で通夜に出席する際も、ネクタイを取り替えるだけで哀悼の意を示す服装になる場合もあります。スーツやシャツが完全に準備できなくても、ネクタイはしっかり失礼のないものを着用するようにしたいものです。

2-1.色と柄

葬儀や通夜に出席する際にふさわしいネクタイは「黒の無地」です。柄や光沢があるなど、装飾的な要素はNG。太さがあまり細いものも、モード感が強くなるので避けるのが無難です。黒無地のネクタイは、スーツショップやシャツショップをはじめ、最近は弔事用としてコンビニや100円ショップでも気軽に買うことができるため、急に必要になった場合はそのようなところで探してみましょう。

黒無地のネクタイを用意しておくと、急な不幸があった際にも慌てずに対処できます。ぜひ平時に準備をしておき、一度結んでみて締め具合や長さなどを確認しておくことをおすすめします。

2-2.ネクタイの長さと素材

結んだ時にちょうどベルトの位置にかかるくらいの長さになるよう、鏡で確認しましょう。短すぎたり長すぎたりすると見栄えが悪くなるだけでなく、だらしない印象を与えがちです。素材はシルクやポリエステルなどがあり、どちらでも問題はありません。光沢を抑えた織りのものを選びましょう。

2-3.ネクタイピンやその他のアクセサリー

葬儀や通夜の場では、原則としてネクタイピンは使用しないのがマナーです。同様にカフスボタンなどのアクセサリーも使用しない方がよいでしょう。結婚指屋や腕時計ははずさなくても問題ありませんが、宝石がついていたり、派手なデザインのものは避けましょう。とにかく装飾的な要素はなくし、遺族や個人を悼む姿勢を表しましょう。

2-4.基本的な結び方と注意点

通夜や葬儀に参列する時のネクタイは、できるだけシンプルに結ぶのがポイントです。一般的には「プレーンノット(シングルノット)」や「ウィンザーノット」という結び方が無難とされています。結び目の大きさや形状は、主張しないように整えましょう。

「ディンプル」と呼ばれるくぼみを作ると華やかな印象を与えてしまうので、控えるのが絶対のマナーです。

―葬儀や通夜でのネクタイのポイントまとめ―

・色は黒で、柄のない無地

・素材はなんでもよいが、光沢を抑えたもの

・ネクタイピンはしない

・結び方は「プレーンノット」

・「ディンプル(くぼみ)」は作らない

3.通夜に参列する際の服装マナー

通夜とは、葬儀の前夜に遺族や親族が集まり、故人と最後の夜を過ごす儀式です。親しい方が亡くなった場合は友人知人も参列することがあります。では、お通夜にふさわしい服装とはどんなものでしょうか。

通夜に一番ふさわしい服装は、「葬儀と同じ服装」です。黒の喪服、黒ネクタイ、黒革の靴・ベルト、白無地シャツ・・・可能であれば1で説明した「葬儀にふさわしい服装」をするのがベストです。ただ通夜は急に出席することになる場合が多く、仕事先から直接葬儀場に向かうなど、準備の時間が十分にとれない可能性もあります。そんな場合は「平服」で良いとされていますが、出来る限り失礼のない服装に近づけたいものです。

―通夜に参列する際の服装で注意すべきポイントまとめ―

・スーツは、派手な柄ではない、なるべく濃い色のスーツ(黒、紺、グレーなど)

・ネクタイは黒無地の、葬儀用のもの(コンビニや100円ショップなどでも購入可能)

・シャツは白無地がベスト(最近はコンビニやスーパーなどで販売している場合も)無い場合は、なるべく光沢の少ない、柄の目立たないものを選ぶ

・靴・ベルト・靴下も黒がベストだが、無い場合はなるべく華美でないもの

・アクセサリーは極力外す


上記の要素から、出来ることをなるべく取り入れるようにしましょう。時間がなく、まったく準備ができない場合はそのままの服装でも問題ありませんが、遺族に「急いで駆け付けた」ということを伝えると良いでしょう。

4.そのほかに持っていくべきもの

失礼のない服装の準備ができたら、その他に持っていくものをお忘れなく。

・香典袋

正式には、宗派により表書きが異なります。しかし大抵は知らないことが多いはず。その場合の表書きは「ご霊前」を選ぶといいでしょう。

・袱紗(ふくさ)

香典袋を入れて持っていくために使用します。葬儀や通夜の弔事の場合、色は「無地の寒色系」が無難。紫の袱紗は、結婚式でも葬式でもどちらでも使えるのでおすすめです。持ちあわせていない場合はハンカチやスカーフなどの布でも代用可能ですが、寒色系で派手ではないシンプルなものを選びましょう。

・数珠

数珠は故人への供養や敬意を示すためのものであり、出来るだけ持っているとよいでしょう。ただ、仏式以外の葬儀では使用しないので注意が必要です。

5.まとめ

葬式や通夜に参列する際の服装マナーとは、要は故人を悼む心のあらわれです。時間が無い中でも、遺族の気持ちを想像してとにかく明るい色や派手なデザインは避け、場の雰囲気に合わせた落ち着いた服装を心掛けて失礼のないようにしましょう。

また、急な葬儀でも困らないように普段からひと通りの準備をしておくことをお勧めします。